漁師たち

朝捕れの新鮮な魚を漁港から弘前へ

 「新鮮な魚を弘前へ運ぶ」。簡単なようにみえて、これがなかなか厄介。まずは魚の注文方法、次に配送方法、また料金の決済方法、そして飲食店にとって既存取引先とのバランス調整など、クリアしなければならない課題は尽きません。
 それまで“弘前市には西海岸の魚がなかなか入らない”の実情がありました。そんな状況を踏まえ、「白神の魚プロジェクト」を発足させるために、漁協、魚屋(小売店)、飲食店も幾度もの話し合いがなされました。これらの関係者の協力がなければプロジェクトは成り立ちません。「漁港からの買い付けは可能なのか」、「弘前の飲食店では産地直送の魚が必要なのか」の根本的な疑問・案件を皮切りに、交流会が設けられました。
 キーマンである「道の駅ふかうら」の川村課長は、「弘前へ魚を流通することは、漁師の人たちのためにもなる。出来るだけ協力したい。」さらに「自分たちの海域(漁場)だけでは魚種やまとまった量も集められないが、近隣の漁協に話してみたら、みんな協力的だった。」 「今まで捨てられていたカワハギの肝などを、漁協女性部の人たちが加工して試しに提供したりしてる。マグロの心臓など珍しい部位も提供としていきたい。」などプロジェクトへの意気込みを、後に語っています。
 飲食店からの“注文制”による魚の流通においては、約一年経った現在でも根付いてないのが実情です。発注となれば、もちろん“事前”ということになり、来客を予測しての注文になります。お客様が食べなければ売れ残り“新鮮・朝捕り”の大儀はなくなり、煮焼きで提供するしかありません。何より飲食店の多数は、これまで自分の目で確かめ魚を購入しています。浜の生産者には、品質の信頼をおいているものの“目で確認して購入”は、長年の慣習であり、そう簡単には変えられるものではありません。中には宴会での使用や、まとまった数量を確保するために、注文を出す提供飲食店もいますが、そう多くはありません。現在(平成26年3月)は、「藤本鮮魚店」の考える必要量を「風合瀬イカ焼き村」へ発注。漁港から弘前への“定期便”が毎週月・金曜に走っており、基本的に朝捕れの魚を弘前に流通させています。