「へい、いらっしゃい！」太田さんの威勢の良い挨拶と自慢の魚介類が出迎えてくれる。写真の料理は自家製「ノドグロの一夜干し」。海水と同じ塩分の潮水に漬けて陰干しをし、臭みを抑えて柔らかな身を引き締める。その味は…。箸を入れると肉厚の身がふんわりとほぐれた。ほどよい塩みが魚の旨みを引き立てる。仕入れにより異なるが、「太助」では、自家製の一夜干しの焼き魚、握りや刺身、煮つけなどで白神の魚を提供しているという。絶品は自家製イカの塩辛。真イカが捕れる時期だけの提供なのがまことに残念である。
　「白神山地の栄養が日本海に流れて、その栄養で魚が育つ。山も海も繋がっていて、それをわんどが頂いてる。どっちかだけってのは駄目で、両方が良くないと、良い魚は育たないってことだよね」。毎日市場に足を運び、吟味した食材にこだわる太田さんが選び抜いた白神の魚、ご賞味あれ。