「天然なので、いろんなリスクはありますよ。ダメな魚も時にはあります。でも、それを超える魅力が『白神の魚』にはあるんです。こんなにいい魚があるなんて、今まで知らなかったのが悔しいくらい」と、うれしそうに語る板垣さん。「どの魚も、身質、味が、本当にいいんです。ヒレやトゲがぴんぴんに硬いし、白身の魚の身がうっすら赤いのも筋肉質でぷりっとした食感の証ですね。旨味も甘味もあって、多少時間が経っても身がへたらない。このよさを知ってしまったらもう戻れません。自分で現地に買い付けに行きたいくらい気に入っています」。
和食プラスアルファの調理法、味付けで提供したいとメニューづくりに知恵を絞る板垣さん。写真の料理は、下味をつけた小鯛の半身を贅沢に使い、皮はパリッとして、身はジューシーな「小鯛と椎茸の照り焼き」。20種類前後登場する白神の魚の「本日のメニュー」は圧巻だ。